« July 2012 | Main | January 2013 »

Cx5~その4~

室温28度、湿度67パーセント。

温める方法をふたつほど試そうと思って、
1ブロックを金づちで割り、小片にしました。
Cx5_11
ひとつをラップで包んで、60度に設定した温冷庫へ。

DVDの中ではCx5を電熱の調理器具に入れていました。
約68度で溶けたら、おそらくそのまま冷まし、52度くらいに
なってから手でこねる、と。
(溶ける温度とか思ったより低いです)

途中何度か柔らかさを確認し、45分後に温冷庫から取り出してイジってみます。
硬い時の印象とは違って、粘着性や伸びがある。
指には付きますが、すぐに取れるのでまとわりついて困ることはなさそう。
エポパテの感触に近いかな。
作業可能時間は今回試した"カケラ"で5分くらいで、その間に
指を使ってザッと形出ししていく感じでしょうか。
その後もしばらく柔らかさは感じるので、例えば
ねじる等の細工は出来ます。

粘着性があるので、盛り足しもできます。
ただ油土やスカルピーだと、盛ったらそのまま指を使って端をのばして
下地に馴染ませる等できますが、Cx5の場合、それは
かなり柔らかい時(温度が高い時)でないと難しい。
伸びの良さは温度低下とともに下がります。
まあ、この辺はワックスだなあ、と。

柔らかい状態の時に、ポリパテのようにカッターナイフで
形出しができるかも試してみました。
硬化中のポリパテはサクサク切れますが、それと比べると
ちょっと硬めな感触&刃で押され(引っ張られ)切り口が若干
変形するので、この方法での形出しはちょっと難しそうでした。
冷めてくれば切り口の変形はなくなりますが、
硬いビニールを切ってるような感じがあるので、
気を付けないと危ないかも。カッターナイフよりも
彫刻刀の方が幾分やりやすかったですが、やはり
気を付けた方がいいでしょうね。柔らかい時はやはり
"彫刻"よりも"彫塑"が適しているようです。

さて温冷庫とは別に、アダム・ビーン氏と同じように電気鍋でもテスト。
と思っていたんですが、サンプルの量がそんなに多くなく、
鍋の中に置ける適当なサイズの容器もない。
そこで、ワックス作業に使えるかもと何年も前に買ったまま
未使用だったグルーポットを使いました。
Cx5_12
(画像は、作業後に冷めて固まった状態です)

ただコレ、サイズはちょうどいいものの、
温度設定も何も出来ないタイプ、しかも100度以上になるので、
ONにしっぱなしにはできません。
コントローラーをかまして、できるだけ温度が低くなるようにし、
ヒーター付近(ここが高温になる)の液面に気泡が出始めたら
OFFにするという手順で。
ちなみに溶けるのは、あっという間です。

ワックスによっては、溶けた時ドロドロしているものもありますが、
Cx5は一般的なワックス同様、流動性があり、これなら
型にも流し込みやすそうだと思いました。

DVDを参考に、温度計で測りながら
50度くらいに下がったら、指でペースト状のCx5を
すくい出し、こねてみます。
(この場合も、指に付いたのはすぐに取れます。
そして、すぐに取らないと熱いです)

個人的にはこちらの方が、温冷庫よりも待ち時間が短いし、
使い方をいろいろ工夫できそうで良かったですね。
Cx5の状態は、双方で特に違いは感じませんでした。

そんな感じで、
粘土状態の時に、油土でやるような細かい造型まで可能かは
まだテストが必要ですが、今のところの印象では
荒盛りくらいまで、でしょうか。

なんとなくですが、
小さい原型には、溶かして型に流す使い方、
大きい原型には、粘土状にして始める使い方がいいのかな、と。

あと、ちょっと気になることがひとつ。
粘土のようにこねて使用すると、元の状態(溶かしたものを固めた状態)
よりも、若干ですが柔らかくなっている気がします。
キャスタリンを使った時に感じたほどではないですが。
造型中に手で持ったところがダレないのが理想なので、
そこに影響するかどうか、、。

特に結論めいたものはまだ書けませんが、
とりあえずレビューはこの辺りで終わり、この後は
サンプルを使って何か作ってみようと思います。
更新ペースは少し遅くなるかもしれませんけど。

| | Comments (4)

Cx5~その3~

海外の掲示板では、サンプルを手にした人から
(「個人的な意見」と断った上で)Cx5は
Willow Productsの3Sixty Wax (360wax)と同様のものだ。という
書き込みがありました。もちろん幾つか微妙な違いはあるようですが。

360ワックスはたしか、Willow Productsの粘土系ワックスの中で
一番硬いやつです。(そのひとつ下がゼン)
残念ながら自分は持っていないので、比較することができません。

ので、ウチはウチでおかまいなしに
レビューを進めます。

さて、硬い状態では「切断」の他に
「ヤスリがけ」と「鉛筆で線描き」等をテストしてみました。
室温28度、湿度60パーセント。
(すみません、今回は画像ナシです)

ヤスリは動画の中で使われていたような
金属の少し大きめのものを使用。
Cx5の角を落とすようにかけてみましたが、確かに
特に問題なくかけられました。ただ、
引っかかると、ちょっと欠けやすかったですね。

鉛筆は、普段ポリパテに書き込むのに使用している
6Bでやってみましたが、こちらも特に問題なし。
試しにやった2BでもOKでした。

ただし。
これまたキャスタリンとゼンでもやってみたんですよね。
結果は、、Cx5と同じ。
ヤスリもかけられたし、鉛筆もOK。意外。

若干違うところというと、Cx5が一番、硬いものをヤスってる
という感触だったこととヤスリに付着した屑を落としやすかったこと、
ゼンに2Bの鉛筆が少々のり辛かったこと。

最後に「カッターナイフで角を落としたり、
彫刻刀で彫ってみたり」もしましたが(カッターと彫刻刀は温めず)、
これはキャスタリンとゼンの方がやりやすかったです。
それだけ、このふたつが柔らかいということですが、
Cx5の場合はヤスリがけの時と同じく、ちょっと欠けやすい気がしました。
特にカッターナイフに対して。

つまり、粘りが少ない。
このことは、粘土状にした時のマイナス要因にならないのか
と不思議に思います。自分でワックスを調合していても、
硬さを求めるとどうしても粘りが少なくなって、粘土のようには
なりにくい。Cx5は温めると一体どんな感じになるのか。

ということで、
続きは次回。

| | Comments (2)

Cx5~その2~

室温30度、湿度60パーセント。
(アダム・ビーン氏の作業場は室温がもう少し低いでしょうね。きっと)

Cx5のような硬そうなワックスを小分けする場合、
自分は金槌で割ることが多いんですが、
今回はとりあえず切断してみました。
Cx5_05
彫金用の糸鋸を使用し、刃もワックス用の目の粗いものでなく、
金属用を試してみたんですが、ちょっと失敗。
刃が途中で動かなくなって無理したら折れました。
切断箇所は1センチくらいの厚みですが、糸鋸じゃなく、
もう少し大きなノコで切ればよかったかも。

刃にもある程度詰まったり、切り終わった時に
切断箇所が再びくっ付くので最終的に手で折りました。
(ハードワックス以外のワックスで糸鋸を使うと、大抵こうなります。)

(ここで数時間中断。再開時は
室温30度、湿度約64パーセント)

実は今回入手したのはサンプルだけでなく、他に
DVD1枚(約60分)が一緒でした。
Cx5_07
(いや、正確には、アダムビーンインダストリーズ的に今回は
このDVDがメインで、サンプルはそのオマケ、です)
ジャケットにそこそこデカく「1」とデザインされていることから、
恐らく続きがリリースされる予定なんだと思います。
そのためなのか、この「1」はたぶんイントロダクションで、内容的には
スカルプティングのレクチャーよりも「Cx5でどんな事が出来るのか」
の紹介に焦点が絞られています。

で、届いてから作業の合間に何回か見返しているんですが、
糸鋸作業に関して気がついたことが。
「あ。スローリーか!」と。
つまり糸鋸を上下に動かすスピードが速過ぎたということですね。
なるほど。
そこで再度、ゆっくりやってみたら比較的スムーズに切れました。

ただ、気を抜くとおそらく切り屑のネチャつきが
刃の動きを止めるので、リズミカルにやるのがコツでしょうか。
まあ、そもそも塊に対して糸鋸刃は小さすぎでしょうけど。
*Cx5が薄ければ目の細かい糸鋸でも問題ないと思います。
DVDでも切っている場面があったので。

それと、いちおう楽に切れはするんですが、
やはり上で失敗した時と同じく、またキャスタリンやゼンとも
同じなんですが、切り終わった後に再びくっ付いてしまい、そこに
スパチュラか何かを差し込んで剥がしてやる必要が。
Cx5_06
これはちょっとやっかいなので、硬い状態での切断方法は
もう少し考える必要あり、と。

とりあえず糸鋸を使った時の気持ち良さは、
ferrisのグリーンに劣る、、かなあ。
(ハードワックスとの比較が正しいのかよくわかりませんが)

ということで次に、卓上電動丸鋸盤を試してみることに。
Cx5_08
そのままでは回転数が高すぎると思ったので、コントローラーをかまして
できるだけ下げた状態でやってみました。
Cx5_09
何故ちょっとだけ!?コントローラーの都合で、
思ったほどは回転数を下げられなかったこともあり、
切り屑が飛んで飛んで、、。普段は閉まってある工具なので
その辺の対策をしていなかったため、これで勘弁していただきたい。

少し刃を入れただけで正確な判断は出来ないかもしれませんが、
感触としては悪くなく、充分使えそうです。
もちろん切ってるそばから、刃に切り屑が付着してしまうので、
長物の切断には向いてない気もしますが、付いてしまったCx5屑は
指でポロポロ取ることができます。

しかし。
実は、ここでひとつ気になることが。
試しにferrisグリーンと共にキャスタリンとゼンも切ってみたところ、
悪くない結果が同様に、、。(左から、キャスタリン、ゼン、Cx5、ferrisグリーン)
Cx5_10
あれ、ferrisはともかくキャスタリンとゼンは
もう少し切り辛いと思っていたけど、意外に切れちゃったな、と。

んー、
(硬い時の)切断におけるCx5のはっきりした優位性は、
今はまだ見つけられず、でしょうか。

と、2回目にしてややテンションが下がったところで、
次回へ続く。

| | Comments (2)

Cx5~ファーストインプレッション~

2012年9月現在、検索すると
車かカメラが多数ヒットしてしまうワード「CX5」。
当然この記事にも、それらの情報を求める方々が
やって来られるだろうと予想しますが、あいにくウチで書いているのは
Adam Beane Industriesの造型用新素材であるCx5についてです。

というわけで。

この度、Cx5のサンプルを入手しました。
(何回かに渡って)レビューしようと思います。
Cx5_01

コメント欄で以前、気になっている素材として
軽く紹介したことがありますけど、記事として書くのは初めてなので
まずはCx5についての説明から。

原型師としてマクファーレンのスポーツ系フィギュアの
原型を作ってきたアダム・ビーン氏が、造形用に開発した
ニューマテリアル、それがCx5です。

以下の動画を見ていただくと、どういう素材かがわかると思います。

個人的な意見になってしまうかもしれませんが、通常
キャスタリンなどの他の粘土系ワックスでは、手で持って造型していると
ディテールがダレるなど常温での硬さが足りません。
一方、常温で充分な硬さのあるワックスは、ブロックからの削り出し、
または油土で作ったラフからの変換~その後の盛りはワックスペンで行う、
といった使用法に適していて、粘土のようには使えません。
しかしCx5は「温かい時は粘土のように扱え、
冷めるとプラスチックのように硬くなる」という。

最初にアダム・ビーン氏のHPでこういう記述を見た時から「こ、これは!」と、
すぐに食い付きました。それまでに自分でも、そういうワックスを目指して
何度か調合を試みながら完成には至っていなかったからです。

(アダム・ビーン氏はCx5をワックスだとは表現していなかったかもしれません。
いちおう、作業にワックスペン等の熱器具を使用することもあって、
こちらで勝手にワックス系に分類していますが)

果たして「ライク粘土&プラスチック」は本当なのか。
はやる気持ちを抑え、まずは現在のウチの作業場環境。
室温29度、湿度60パーセント。(エアコンなし)

本当は真夏の環境で作業可能かどうかを調べたかったので、
ワンフェス前辺りに入手出来ていれば一番良かったんですけど、まあ仕方なし。

Cx5_02
入手したサンプルは1/2ポンド。
4つのブロックが板チョコのようにくっついていて、
ひとつのブロックの一辺は5センチ弱。厚みは約2センチ。
(販売単位はブロック8つの1ポンドではないかと思われます)

裏はこんな感じ。
Cx5_03
少しヒケているのがわかります。
(ワックスは溶かして型に流した後にヒケます)

色がグレーなのは良いですね。
最近はグレーの素材も多くなってきました。
不透明なのも良し。
光沢に関しては、表側はツヤツヤですが
これは型の表面がツルツルしているためだと思うので、
裏のツヤなし~半光沢くらいのが本来の表面の状態でしょう。
ワックスはイジり具合で光沢が出やすい素材で、それが
見栄えを良くしたりもしますが、個人的には
出来るだけ反射が少ない方が造型しやすいです。
Cx5がどんな感じか、この辺は自分で
使い始めてみないとわかりませんね。

手触りはこの状態ではサラサラしていてベタつきはなく、
また、匂いも特にありません。
(かすかに植物系の匂いがするような気がしますが、
包み紙の香りにも思え、判断できず)
ただ手触りも匂いも、あくまでも常温の場合で、
温めると変化すると思いますので念のため。

そして(自分にとっては肝心な)常温での硬さは、、。
板チョコのようになってはいますが、手で割ることは難しいし、
刻印部分や角を指でこすってみても、目に見えてダレるということはありません。
爪の痕を付けることはできますが、感触としてはけっこう硬めな印象です。
Cx5_04
試しにアバウトな方法ですけど、ジュエリー用ハードワックス(ferrisのグリーン)
にも爪痕をつけて硬さを比べてみましたが、それと同等か、
Cx5の方がやや劣る程度。他にAzbroWaxという
キャスティング専用のそこそこ硬いワックスがあるんですが、
こちらはCx5よりも深く痕が付きました。
ZENとCastileneは痕を付けやすいので、それらと比べれば
当然Cx5の方が硬い。

ファーストインプレッションとしては
好印象という感じでしょうか。届いてみたらガッカリした
ってところは特にありません。

と、いったところで、
この続きは次回また。

ところでこのCx5。
価格や販売方法などは残念ながら現時点ではよくわかりません。
とにかくその辺の情報の出し方に若干の不安を感じずにはいられませんが、
とりあえず今回のサンプル送付で大仕事が一段落しているはずで、また
向こうも商売だと思うので、近日中にはホームページ等が何かしら
更新されるのではないでしょうか。断言は出来ませんけど。

追記
ホームページにあるブログが更新されていました。
やはり近日中に販売開始の発表があるようです。

| | Comments (2)

« July 2012 | Main | January 2013 »